デジタル絵本「渡りの一夜」 | different breeze
2008年末から2009年中頃に掛けて作ったデジタルブック(Flash・イラスト作品)で、いわゆるデジタル絵本、または短編小説のような感じに近いかもしれません。習作としての意識が強く、物語も稚拙ではありますが、この時にいちばん書きたいものを書きました。タイトルは、梨木香歩さんの短編小説「渡りの一日」からもじっています。
舞台設定は1980~90年代、夜は今ほど煌びやかでない頃、都会でもなく田舎でもない町。年末年始は、コンビニもなくどこも閉店で閑散としていたのを覚えています。幼いころは、夜の9時はとても遅くて、11時にもなると信じられないくらい深い夜でした。夜更かしをし始めて、夜が珍しいものでなくなったのは、いつからだったのでしょう?
Prologue - 眠れない夜
寝苦しい、ではなくて意識が覚めているのか、どうしても眠れない夜って、ありますよね?
Sec.1 - 差し足、長い廊下
音を立てないようにと思うほど、音を出してしまうものです。
Sec.2 - こっそり抜け出して
悪い子ですね。小さな庭に、小さな犬。そこから見上げる空は、やっぱり狭い?
Sec.3 - 誘われて、共に
夜の風って、何故あんなに落ち着いて清浄な感じがするのでしょう。
Sec.4 - あの子はどこへ?
静かな夜と町に犬の呼び声。とても響くんです。
Sec.5 - 自然な出会い
純粋な意味での「自然」って、ほんとうにないものなのかなぁと思います。むしろ自分自身がそうでないことには。
Sec.6 - 暗闇に浮かぶ灯り
風に乗って流れてくる香ばしい匂い。キッチンの窓から漏れてくる夕食の香りはとても好き。
Sec.7 - 明けるキッチン
光が当たり埃が舞うさまは、とても綺麗だなと思うのです。そう、掃除しないとね。冷蔵庫には買い物リストをメモして貼付けておこう。
Sec.8 - 夢で逢ったよね
夢は現実ではないけれども、人の一生の上でかなりの比重を占めていると思う。ただの幻だと、簡単に片付けられたなら、それはとても楽かもしれないけれど。
Epilogue - 河べりにて
時が経ったと感じるのはどんな時?
もともと、同人誌(個人誌)のような形で紙媒体にて公開しようと考えていたので、素材の画は、印刷に対応した大きなデータで作っています。(メモリが不足して作業の効率が悪いので、小さいデータでも良かったかも)
Flash はリアルタイムで素材を動かすので、複雑なことをさせるには向いていないですね。負担が大き過ぎますし。凝った動きをしたい場合は、他の動画編集ソフトで作って Flash で素材として使う方が良かったのかな。エフェクトは過剰な演出は避けて、ほとんどフェードです。この機会に ActionScript 3.0 を触ってみることにしたのですが、より専門的になってて慣れるのにしばらく掛かりました。(2.0を少し触ったことがある程度)BASIC や C、C++ などプログラミング経験はあったので何とかなりましたが。
イラスト着色は Photoshop と Painter で使い分けています。傾向をどちらかに絞るべきかと考えたのですが、ここは1つ、織り交ぜる方向に決めました。Painter Essentials の最新版を試しに使ったところ、遅延が酷くてまともに使えず、結局お古の Classic 1.0 になりました。
本を読んでいる感覚に近くなるように、(よく見る)見開きのスタイルを取ったのですが、やはりフォントの大きさが辛い。ディスプレイのちらつきもあるし、デジタルノベルとして読ませるには、どうなのでしょうね。今のディスプレイは紙で読むときの感覚にはまだまだ遠いです。(特に普及価格帯のものなど)
これを作っていて実感したのが制作における体力不足で、ペースの遅さもあってか、特にメンタル面の方で苦心しました。このようなスタイルのものを今後作るかは分かりませんが、また何か新しいものを作っていければと思います。
※なお、本ファイルの公開はもうしばらく先になる予定です。
■制作環境
- Athlon64 3500+ / RAM 2GB
- Adobe Photoshop CS3 / Flash CS3 Professional / Illustrator CS3 / Corel Painter Classic 1.0
- ペンタブレット、デジカメなど
- デジタル系の学校などに通ったことはないので、ほとんど独学、我流でやっています。